仮想通貨の二段階認証とは?ログインと送金を守る仕組み

パスワードがあるのに、なんでもう1つ認証が必要なの?
パスワードが盗まれても、スマホがないと通れない関門を足すためです。
二段階認証とは、ログインや出金のときに、パスワードに加えて「その場で発行される確認コード」の入力を求める仕組みです。
確認コードは、あなたのスマホのアプリやSMS、メールに届きます。
たとえパスワードが他のサービスから漏れても、犯人の手元にはあなたのスマホが無いため、コードを入力できずに止まります。
パスワードだけでは足りない理由
パスワードは、同じものを複数のサービスで使い回していると、どこか1か所から流出しただけで他のアカウントにも入られてしまいます。
さらに、取引所そっくりの偽サイトにログイン情報を入力させる「フィッシング」も後を絶ちません。
仮想通貨の取引所アカウントは、入られると暗号資産を外部へ送られてしまう点が、ほかのサービスより深刻です。
暗号資産は一度送られると取り消しができないため、入られる前に止める仕組みが欠かせません。
二段階認証で守れること・守れないこと
二段階認証は強力ですが、万能ではありません。
できること・できないことを分けて理解しておくと、ほかの対策と組み合わせやすくなります。
二段階認証で防ぎやすいこと
- 流出したパスワードを使った不正ログイン
- 他人による日本円の出金や暗号資産の外部送付
- 知らない間に送付先アドレスを登録されること
二段階認証だけでは防げないこと
- 偽サイトにコードまでその場で入力してしまう被害
- スマホ本体を盗まれ、ロックも掛けていない場合
- 自分で詐欺師のアドレスに送金してしまうミス
確認コードを入力する画面は、必ずブックマークや公式アプリから開いた取引所の画面だけにしてください。
口座を作ったらすぐ設定したい理由
口座開設が終わった直後は、まだ残高が少ないので「あとでいいか」と考えがちです。
けれども、日本円を入金して暗号資産を買ったあとに設定しようとすると、設定が終わるまでの間ずっと無防備な状態が続きます。
また、残高が増えてから慌てて設定すると、セットアップキーの控えを忘れるなど、焦りからくるミスも起きやすくなります。
入金する前の、失うものがまだ少ないうちに落ち着いて設定しておくのが、もっとも安全で確実な順番です。
国内の取引所はどこも二段階認証に対応している
金融庁・財務局に登録された国内の暗号資産交換業者は、どこも二段階認証の仕組みを用意しています。
ただし、選べる方式や、どの操作で必須になるかは取引所ごとに違います。
この記事では、公式のヘルプで方式と必須の範囲がはっきり書かれているbitFlyerを例に、具体的な流れを説明します。
二段階認証の方式は3つ|SMS・認証アプリ・メールの違い

方式がいくつかあるみたいだけど、どれを選べばいいの?
迷ったら認証アプリ、操作が不安ならSMSがおすすめです。
二段階認証の確認コードの受け取り方には、主に「SMS」「認証アプリ」「メール」の3種類があります。
bitFlyerでも、この3つから選べるようになっています。
| 方式 | コードの受け取り方 | 安全性 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| 認証アプリ | スマホのアプリに30秒ごとに新しいコードが表示される | 高い | しっかり守りたい人 |
| SMS | 携帯電話番号にショートメッセージで届く | やや高い | アプリの操作に不安がある人 |
| メール | 登録したメールアドレスに届く | 低め | 他の方式が使えないときの代わり |
認証アプリ:オフラインでも使えていちばん安全重要度:★★★★★
認証アプリは、Google AuthenticatorやMicrosoft Authenticatorなど、スマホに入れる専用のアプリです。
取引所の画面に出たQRコードを読み取るだけで登録でき、あとはアプリを開くたびに6桁のコードが表示されます。
コードはスマホの中で作られるため、電波がない場所でも表示されます。
通信を横取りされる心配がほとんどない点が、SMSやメールより安全とされる理由です。
一方で、アプリを入れたスマホを失くすとコードを出せなくなるので、後で説明する控えの準備が欠かせません。
SMS:電話番号があればすぐ使える重要度:★★★★☆
SMSは、登録した携帯電話番号にコードが送られてくる方式です。
新しくアプリを入れる必要がないので、スマホの操作に慣れていない人でも始めやすいです。
ただし、電波が届かない場所では受け取れず、電話番号を乗っ取られる手口にも弱いとされています。
格安SIMのデータ専用プランなど、SMSを受け取れない契約もあるので、事前に確かめておきましょう。
メール:手軽だが単独では避けたい重要度:★★★☆☆
メールは、登録したメールアドレスにコードが届く方式です。
bitFlyerは、メールによる認証は他サービスでの情報流出などにつけ込まれるおそれがあるとして、SMSか認証アプリの利用をすすめています。
メールアドレスとパスワードが一緒に流出すると、メールの受信箱ごと見られてしまうためです。
メールだけで済ませる場合は、取引所の暗証番号などほかの守りを必ず足してください。
迷ったときの選び方重要度:★★★★☆
どの方式にするか迷ったら、「スマホを替える予定があるか」と「SMSを受け取れる契約か」の2つで決めると簡単です。
しばらくスマホを替える予定がなく、アプリを1つ入れることに抵抗がなければ、認証アプリを選びましょう。
アプリの設定が不安な人や、近いうちに機種変更を控えている人は、まずSMSで設定しておき、落ち着いてから認証アプリに切り替える方法もあります。
どの方式でも「何も設定していない状態」より安全性は大きく上がるので、完璧な方式を選ぶより、今日のうちに何かしら設定しておくことを優先してください。
二段階認証の設定方法|bitFlyerの手順と認証アプリの登録

実際の設定はどんな流れで進めるの?
ログインして設定画面を開き、方式を選んでコードを1回入力すれば完了です。
ここでは、bitFlyerの公式ヘルプに書かれている流れに沿って、設定の手順を説明します。
画面の名前は変わることがあるので、見当たらないときは公式ヘルプの「二段階認証」のページも合わせて確認してください。
STEP1:ログインしてセキュリティ設定を開く
まず、bitFlyerにパソコンのブラウザかスマホのアプリでログインします。
ログイン後、「設定」から「セキュリティ設定」へ進み、「二段階認証設定を変更する」を選びます。
ログイン画面は、検索結果の広告ではなく、ブックマークや公式アプリから開くようにしてください。
STEP2:SMS・認証アプリ・メールから方式を選ぶ
次に、二段階認証の方式をSMS、認証アプリ、メールの中から選びます。
前の章で説明したとおり、おすすめは認証アプリ、次がSMSです。
SMSを選んだ場合は、届いたコードを画面に入力すれば設定が終わります。
STEP3:認証アプリでQRコードを読み取る
認証アプリを選んだ場合は、先にスマホへGoogle Authenticatorなどのアプリをインストールしておきます。
取引所の画面にQRコードが表示されたら、アプリの「+」ボタンからQRコードを読み取ります。
QRコードの近くに英数字の文字列(セットアップキー)が表示される場合は、この文字列を紙に書き写して保管しておきましょう。
スマホを失くしたときや機種変更のときに、同じ設定を作り直すための大切な控えになります。
STEP4:表示された6桁のコードを入力して完了
読み取りが終わると、アプリに取引所の名前と6桁の数字が表示されます。
その数字を取引所の画面に入力し、確定すれば設定は完了です。
コードは30秒ほどで切り替わるので、切り替わる直前なら次の数字が出るのを待ってから入力すると失敗しにくいです。
スマホ1台で設定するときのコツ
取引所のアプリと認証アプリが同じスマホに入っている場合、画面に出たQRコードを同じスマホのカメラで読み取ることはできません。
その場合は、QRコードの近くにあるセットアップキーをコピーし、認証アプリの「セットアップキーを入力」から貼り付けて登録します。
パソコンのブラウザでログインして設定すれば、パソコンの画面に出たQRコードをスマホで読み取れるので、こちらのほうが迷いにくいです。
設定のときに控えておくもの
- 認証アプリのセットアップキー(表示された場合)
- 取引所が発行するバックアップ用のコード(ある場合)
- 登録した電話番号とメールアドレス
控えはスマホの中ではなく紙に書き、人に見られない場所に保管するのが安全です。
二段階認証が求められる場面|ログイン・出金・送付

設定したら、毎回ログインのたびにコードを入れることになるの?
ログインは選べますが、出金や送付では必ず求められます。
二段階認証は、設定したあと「どの操作で使うか」が決まっています。
bitFlyerの公式ヘルプでは、対象の場面が4つに分けて案内されています。
| 場面 | 二段階認証 |
|---|---|
| ログイン | 任意(自分で使うか選べる) |
| 外部アドレスの登録 | 必須 |
| 日本円の出金 | 必須 |
| 暗号資産の外部送付 | 必須 |
ログインでも使うほうが安全
ログインでの二段階認証は任意ですが、できればオンにしておくのがおすすめです。
ログインさえされなければ、残高や取引の履歴を見られることもありません。
毎回コードを入れる手間は増えますが、数秒で済む作業なので、守れるものの大きさと比べれば小さな負担です。
出金と送付では必須になる
日本円の出金や暗号資産の外部送付は、お金が取引所の外へ出ていく操作です。
そのため、bitFlyerではこれらの操作で二段階認証が必須になっています。
送付先アドレスを新しく登録するときも必須なので、犯人が自分のアドレスを登録しようとしても、ここで止まります。
送付先アドレスの登録は時間に余裕を持って
外部の取引所やウォレットへ暗号資産を送るときは、先に送付先アドレスを登録する必要があります。
この登録でも二段階認証が求められるので、コードを出せるスマホを手元に用意してから作業しましょう。
送りたい日の直前に慌てて登録すると、コードの入力ミスやアドレスの写し間違いが起きやすくなります。
アドレスは手で打たずにコピーして貼り付け、先頭と末尾の数文字が合っているかを目で確かめてから登録してください。
二段階認証を設定しないまま送る場合
bitFlyerでは、二段階認証を設定せずに暗号資産を送る場合、メールによる確認と4桁の暗証番号の設定が求められます。
また、メールだけを選ぶ場合や二段階認証が未設定の場合は、暗証番号を必ず設定するよう案内されています。
いずれにしても、送金の前には何らかの確認が入る仕組みなので、最初から認証アプリかSMSで設定しておくほうが手間も少なく安全です。
二段階認証ができない・コードが通らないときの対処法

コードを入れたのにエラーになって先に進めないんだけど、どうしたらいいの?
まずはスマホの時刻がずれていないかを確かめましょう。
二段階認証でつまずく原因は、だいたい決まっています。
上から順に確かめていけば、ほとんどの場合は自分で解決できます。
認証アプリのコードが通らない:スマホの時刻を確認重要度:★★★★★
認証アプリのコードは、スマホの時計をもとに作られています。
そのため、スマホの時刻が数十秒ずれているだけで、正しいはずのコードが「間違い」と判定されることがあります。
スマホの設定で「日付と時刻」を開き、時刻を自動で合わせる設定をオンにしてから、もう一度試してください。
また、取引所を複数登録している場合は、別の取引所のコードを見ていないかも確かめましょう。
SMSが届かない:電波と受信設定を確認重要度:★★★☆☆
SMSが届かないときは、まず電波の状態と、機内モードになっていないかを確認します。
迷惑メッセージを止めるフィルターを設定していると、取引所からのSMSまで止まることがあります。
数分待っても届かない場合は、再送のボタンを押すか、時間をおいて試してください。
メールが届かない:ドメインの受信設定を確認重要度:★★★☆☆
bitFlyerの公式ヘルプでは、メールが届かないときに次の3点を確かめるよう案内されています。
メールが届かないときの確認点
- 「@bitflyer.com」「@bitflyer.jp」のドメイン指定受信を設定する
- フィルタリング設定で取引所のドメインが遮断されていないか見る
- 迷惑メールフォルダに振り分けられていないか見る
携帯会社のメールアドレスは、パソコンから送られるメールを止める設定になっていることがあるので注意しましょう。
取引所を装ったSMSやメールに注意重要度:★★★★☆
二段階認証を設定すると、取引所からコードが届くことに慣れてきます。
その慣れを狙って、取引所を名乗るSMSやメールで「本人確認が必要です」などと偽サイトへ誘う手口があります。
自分でログインや出金の操作をしていないのにコードが届いた場合は、誰かがパスワードを使って入ろうとしている合図かもしれません。
そのときはコードを入力せず、公式アプリからログインしてパスワードを変更し、取引所の問い合わせ窓口にも知らせておきましょう。
どうしてもログインできない:取引所に解除を依頼する重要度:★★★★☆
スマホを失くしてコードが出せないなど、自分ではどうにもならない場合は、取引所に二段階認証の解除を依頼します。
bitFlyerでは、本人確認をしたうえで二段階認証を解除する手続きが用意されています。
本人確認に時間がかかり、その間は取引も出金もできないので、そうならないための準備を次の章で説明します。
機種変更・スマホ紛失に備える二段階認証の引き継ぎ

スマホを買い替えたら、認証アプリの中身も勝手に移るんじゃないの?
自動では移らないので、手放す前に引き継ぎが必要です。
二段階認証で一番多いトラブルは、機種変更のあとにコードが出せなくなることです。
古いスマホを初期化したり下取りに出したりする前に、次の順番で引き継ぎを済ませましょう。
機種変更の前にやること重要度:★★★★★
機種変更の前のチェックリスト
- 新しいスマホに認証アプリを入れておく
- 古いスマホでコードが出せるうちに取引所へログインする
- 取引所の設定画面で、認証アプリの登録を新しいスマホに切り替える
- 新しいスマホでコードが通ることを確かめる
- 確かめてから古いスマホを初期化する
取引所によっては、一度二段階認証をオフにしてから新しいスマホで設定し直す手順になっています。
どちらの場合も、古いスマホでコードが出せるうちに作業するのがいちばん大切なポイントです。
認証アプリの引き継ぎ機能も使える重要度:★★★☆☆
Google Authenticatorには、Googleアカウントにコードの設定を保存する機能や、別のスマホへまとめて移す機能があります。
こうした機能を使えば、取引所ごとに設定し直す手間を減らせます。
ただし、Googleアカウントそのものが乗っ取られると意味がなくなるので、Googleアカウントにも二段階認証を掛けておきましょう。
控えの保管で気をつけること重要度:★★★★☆
セットアップキーは、それさえあれば誰でも同じコードを作れてしまう「合鍵」のようなものです。
スマホのスクリーンショットやメモアプリに保存すると、スマホを失くしたときに一緒に失くし、乗っ取られたときには一緒に盗まれます。
紙に書いて、通帳や保険証券など大切な書類と同じ場所にしまっておくのが安心です。
家族に資産のことを伝えておきたい場合も、控えの保管場所だけを伝え、中身を写真で送るようなことは避けてください。
スマホを失くしたときの動き方重要度:★★★★☆
スマホを失くしたときは、まず携帯会社に連絡して回線を止め、悪用を防ぎます。
設定のときにセットアップキーを紙に控えていれば、新しいスマホの認証アプリに入力するだけで、同じコードを出せるようになります。
控えがない場合は、取引所の問い合わせ窓口から二段階認証の解除を依頼し、本人確認が終わるのを待つことになります。
紙の控え1枚で、何日も取引できない状態を避けられると考えると、設定のときのひと手間はとても大きな意味を持ちます。
仮想通貨の二段階認証でよくある質問
二段階認証は設定しないとどうなりますか?
パスワードだけで口座に入れる状態になるため、パスワードが漏れると不正ログインや送金の被害につながります。bitFlyerでは日本円の出金や暗号資産の外部送付で二段階認証が必須なので、設定しないと送付のたびにメールの確認と暗証番号が求められます。最初に設定しておくほうが手間も少なく安全です。
認証アプリはどれを使えばいいですか?
Google AuthenticatorやMicrosoft Authenticatorなど、広く使われているアプリなら取引所の二段階認証に使えます。複数の取引所を1つのアプリにまとめて登録できるので、使うアプリは1つに決めておくと管理が楽です。アプリは必ず公式のアプリストアから入れてください。
複数の取引所で同じ認証アプリを使っても大丈夫ですか?
問題ありません。認証アプリには取引所ごとに別々のコードが表示されるので、取引所の名前を見て正しいコードを入力してください。名前が似ている場合は、アプリ内で表示名を変えておくと間違えにくくなります。
二段階認証のコードを人に教えても大丈夫ですか?
絶対に教えてはいけません。取引所のスタッフや警察を名乗る人から電話やメッセージでコードを聞かれても、それは詐欺の手口です。コードは自分で取引所の画面に入力するときだけ使うものだと覚えておきましょう。
二段階認証の方式はあとから変更できますか?
bitFlyerではログイン後の設定画面から二段階認証の設定を変更できます。最初はSMSで始めて、慣れてきたら認証アプリへ切り替えるという使い方もできます。変更するときは、今の方式でコードが出せる状態のうちに作業してください。
スマホを1台しか持っていなくても設定できますか?
できます。スマホのアプリで取引所を使い、同じスマホの認証アプリでコードを見る形でも問題ありません。ただし、そのスマホを失くすと両方が使えなくなるので、セットアップキーの控えを紙で残しておくことが特に大切です。
パソコンだけで二段階認証を使えますか?
メール方式ならパソコンだけでも使えますが、メールは他の方式より安全性が低いとされています。パソコンで取引する場合も、コードの受け取りはスマホの認証アプリかSMSにしておくと、パソコンが乗っ取られたときの備えになります。
二段階認証を設定すると取引のたびにコードが必要になりますか?
bitFlyerでは、二段階認証が必須になるのは外部アドレスの登録、日本円の出金、暗号資産の外部送付で、ログインで使うかは自分で選べます。購入や売却の操作そのものでコードを求められる場面は、ログインを除けば多くありません。頻繁に取引する人も、手間を心配せずに設定して大丈夫です。
仮想通貨の二段階認証の設定まとめ
仮想通貨の二段階認証は、パスワードが漏れても口座を守るための、いちばん手軽で効果の大きい対策です。
方式は認証アプリがもっとも安全で、アプリの操作に不安があればSMSから始めても構いません。
bitFlyerでは出金や外部送付、送付先アドレスの登録で二段階認証が必須になるので、口座を作ったらすぐに設定しておきましょう。
コードが通らないときはスマホの時刻を確かめ、機種変更の前には古いスマホでコードが出せるうちに引き継ぎを済ませてください。
設定のときにセットアップキーを紙に控えておくことが、いざというときに自分の資産へすぐ戻れるいちばんの備えになります。